なぜ東大からノーベル賞が出にくいのか
2009-03-18


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3月16日の朝日新聞に黒川政策研究大学院教授が表題について寄稿されている。それによると、東大で研究した自然科学分野の受賞者は小柴氏一人であるという。(日本全体で13人の受賞者に対して)

 筆者はその理由として、「東大では、この時代になってもいわゆる「四行教授」のステータスが高いという信じがたい現状がある」と書いておられる。四行教授というのは履歴書に東大卒、東大助手、東大助教授、東大教授とだけ書いてある人のことだそうである。つまり純粋培養の道を歩んだ人のことである。

 いったん東大に入れば優越意識に駆られる。なぜわざわざ外に行くのか、とリスクをとろうとしない精神構造になりがちであり、ぬくぬくとした羊水にくるまれた、ひ弱な秀才で終わってしまうのだそうである。

 若い時から「他流試合」を重ね、世界の一流の学者と出会い、次世代の仲間のグローバルなネットワークを作ることが欠かせない時代になっていると言うのに、東大教授という看板にすがり、地位の保全に汲々としているのでははなしにならないという。

 ここからは私の意見であるが、このような無気力な保身の姿勢というのは、単に自然科学分野に限らず、現在の膨大な官僚組織そのものにも拡がっていて、日本の国自体の行政のひずみを生み、無気力にしている大きな理由でもあるように思う。
[日本の命運]

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